2018年5月22日火曜日

虚数を学ぶ意味

綾瀬個別指導学院(講師編)です。

皆さんは高校数学で "虚数" を学んでこんな疑問を持たなかったですか?実数ではありえない2乗したら-1になるという虚数を学んだ所で、何の役に立つのだろうかと思いますよね。

ですが、全く役に立たないものは学びません。つまり、虚数も身近でしっかり役立っています。今回は、虚数が利用されている例を紹介します。

虚数を応用する分野の代表例は電気工学です。2乗すると-1になる虚数の性質が、交流回路の計算に役立っているのです。

では、虚数がどのように役立っているのかを簡単に説明します。数学では虚数をiと表現しています。(ただし、電気工学では電流の記号と混乱するため、jを使っています。)

虚数iのもつ性質は、iを順々に掛けていくと、その度に虚数になったり実数になったりすることです。
     1×i=i(虚)⇒ i×i=i^2=-1(実)⇒ -1×i=-i(虚)⇒
     -i×i=-i^2=1(実)⇒1×i=i(虚)⇒…

このような性質を交流回路の計算に利用するのです。希望は虚数を座標平面に図示するのですが、皆さんが今まで学んできたxy座標では実数の点しか取れないため、虚数は図示できません。

そこで、新しく複素数平面というものを用意します。複素数平面とは縦軸を虚数iの目盛りに、横軸を実数の目盛りにしたものです。この座標面を用いれば、ある長さの実数にiを掛ける度に、座標上を反時計回りに90°ずつ回転することになります。

発電機はコイルが回転して交流を生み出しますが、交流を数学的に処理するのに虚数iが役に立っているのです。

日常生活で一見関係がなさそうな虚数も、実は身近な所でしっかり役立っています。
     









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