綾瀬個別指導学院 糸井です。
2020年から2021年は、新課程の移行期間になります。
まだ先の話ではありますが、2022年から実施される高校学習指導要領の改訂案が非常に興味深かったので、それについて言及したいと思います。
今回言及するのは、高校数学の学習指導要領改訂案です。
現行課程では、「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」と殆ど開設されていない「数学活用」の6つです。これを新課程では、「数学活用」を廃止して「数学C」を新設します。
実は、かつて「数学C」は存在していました。一度廃止され、そのときに「行列」も廃止されました。
「行列」を大学で初めて扱うことになるこのカリキュラムに、私は当時疑問でしかありませんでした。なぜなら、理系学生にとって「行列」は欠かせない知識だからです。
新課程「数学C」の「数学的な表現の工夫」の項目には「行列」と書かれていますが、どのように扱うのか気になります。
しかし、さらに驚きのカリキュラムに改訂されていました。
まず、「数学B」で扱っていた「ベクトル」が「数学C」へ移行したのです。これにより、「ベクトル」は高3になるまで学ぶことはなく、文系学生は学ぶことがなくなります。
また、物理の学習の理解にも影響を及ぼします。本来、「ベクトル」は物理と並行して学習する必要があります。この改訂案には正直疑問が残ります。
もう1つ、「数学B」で「統計的な推測」が実質必修化されることです。統計学を重要視する動きは、何となくここ近年で感じていました。
最初は、必履修科目の「数学Ⅰ」で「データの分析」が加わったときです。今まで殆ど学ぶ機会がなかった統計の分野が必修化されたのです。
そして新課程では、今まで中1で学習した「平均値」「中央値」「最頻値」「階級」を小6で学習します。また、今まで「数学Ⅰ」で学習した「四分位数」と「箱ひげ図」を中2で学習することになります。
今回の改訂案は、統計の学習を推し進めています。背景には、プログラミング教育の必修化などがあると思います。
数学とコンピューターのつながりを重視し、数学と社会生活の関わりについても考えさせたいのでしょう。
しかしながら、実際には統計処理はコンピューターで行われます。言わば理論を理解してほしいということなのかもしれませんが、果たして正規分布を用いた区間推定や、仮説検定の考え方は高校数学の領域なのでしょうか。
私は、高校数学において統計学を必修化する必要はないと思います。改めて、高校数学において何を重視すべきなのか、今一度見直しを図るべきだと考えます。
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