2018年12月5日水曜日

交流回路と微積分

綾瀬個別指導学院(講師編)です。

今回は、交流回路微積分についてです。









前回、誘導起電力の式
          V=V0sinωt …①
微分によって求めることができました。今回は、交流回路におけるコイルに流れる電流の式コンデンサーに流れる電流の式を、微積分を用いてそれぞれ求められることを説明します。


コイルに流れる電流が変化するとき、その変化を打ち消す向きにコイルに誘導起電力が生じます。これを自己誘導といいます。そこで、コイルに生じる誘導起電力を考えます。

I[A]電流が流れているソレノイドコイル(単位長さ当たりの巻数n, 長さℓ)内部の磁束密度B=μ0nIμ0は真空の透磁率)となります。

コイルを貫く磁束Φ=BS=μ0nIS, コイルの巻数N=nℓですから、時間Δt[s]の間に電流ΔI[A]変化するとき、ファラデーの電磁誘導の法則により
       V=-NΔΦ/Δt=-nℓμ0nSΔI/Δt
ここでμ0n^2ℓS=Lとおくと V=-LΔI/Δt となります。

この式の比例定数Lはコイルの自己誘導の大きさを表し、これを自己インダクタンスといいます。この式は、誘導起電力V電流I時間tに対する平均変化率であることを表しています。したがって、瞬間の変化率
          VL=-LdI/dt …②
となります。


①、②式より、コイルに流れる電流の式を求めることができます。まず、回路に電流が流れるということは、1周して戻ってくると電位が元通りになる(キルヒホッフの法則)ということだから
                          V+VL=0
                                V=-VL=LdI/dt
                ∴ dI/dt=V/L=V0sinωt/L …③

③式の両辺を時間tで積分すると
                            I=V0sinωtdt/L
                              =(V0/L)sinωtdt
                              =V0(-cosωt)/ωL
ここで、-cosωt=sin(ωt -π/2)より
                 I=I0sin(ωt -π/2) (ただし、V0/ωL=I0


次に、平行板コンデンサーの極板の向かい合う面上にたまった電荷によって、極板間に一様な電場が生じます。

極板の電気量Q[C], 面積S[㎡]とすると、極板間の電場の強さE[V/m]
                               E=4πkQ/S …④
となります。

極板間の電位差V[V], 間隔d[m]とすると、④式から
                               V=Ed=4πkdQ/S
となります。

ゆえに、Q=SV/4πkdとなるから、QV比例します。この比例定数Cとおくと
                       Q=CV …⑤ (ただし、C=S/4πkd
Cコンデンサーの電気容量といいます。

また、電流I電気量Q時間tで微分することによって得られるから
                             I=dQ/dt …⑥


①、⑤、⑥式より、コンデンサーに流れる電流の式を求めることができます。
I=dQ/dt=CdV/dt=CV0dsinωt/dt=ωCV0cosωt
ここで、cosωt=sin(ωt+ π/2)より
      I=I0sin(ωt+ π/2) (ただし、ωCV0=I0


抵抗値Rの抵抗自己インダクタンスLのコイル電気容量Cのコンデンサー直列に接続し、これに交流電源をつないだとき、流れる電流I=I0sinωtとすると、抵抗に加わる電圧VRは、オームの法則より
          VR=RI0sinωt
コイルに加わる電圧VLは、
          VL=ωLI0sin(ωt+ π/2)
コンデンサーに加わる電圧VC
          VC=(I0/ωC)sin(ωt- π/2)
と表されます。










回路に加わる電圧 V=VR+VL+VC を計算すると、交流回路のインピーダンスを求めることができます。 









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